【学生インタビュー224】東北芸術工科大学 芸術工学研究科修士課程 芸術文化専攻 美術史領域 2年 村上幸奈

“気になるあの人は何をしているんだろう ? ”
学生インタビュー224人目は、東北芸術工科大学 芸術工学研究科修士課程 芸術文化専攻 美術史領域 2年の村上幸奈さんです。
自己紹介
東北芸術工科大学 芸術工学研究科修士課程 芸術文化専攻 美術史領域 2年の村上幸奈 (むらかみゆきな) です。神奈川県の横浜市出身です。
学部時代は美術史・文化財保存修復学科でした。現在は平安時代前期の仏像をテーマに研究しています。
芸工大に入ったきっかけを教えてください

子どもの時からたくさんの習い事をやっていて、その中でも絵を描くことが好きでした。好きなことをもっとやりたいと思い、美大を目指して予備校に通います。
しかし、周囲のレベルが高く自分ではついていけないと思いました。一度挫折したのですが、中学の終わりころに母親と行った京都旅行で仏像に興味を持ちました。特に菩薩は美しいですね。
単に美しいと思うのではなく、仏像に触ってみたいと思うようになります。高校の美術担当の先生に相談したところ、修復科という存在を知り、芸工大を紹介していただきました。
学部時代について教えてください
1,2年生は湿度や温度の管理など、文化財の保存・補修の基礎について学びました。専門的なことをおこなうのは3年生になってからです。
私は日本美術史ゼミに入り、毎日ゼミ漬けでした。4年生では、平安時代の仏像について卒論として研究します。東根市に50年に1度しか開帳されない「沢渡観音」というのがあるのですが、その調査依頼が来たのがきっかけです。
実際に行って、内部を調査するとボロボロでしたが、大変古い観音であることがわかりました。様々な文献や機器で作られた年代を測定し、平安時代の仏像ということがわかった時は驚きましたね。
最終的には新聞にも取り上げられて、地元の方にも「こんなにすごい観音様が近くにいたのか」と驚かれたのが記憶に新しいです。
現在はどんな研究をしているのですか ?

現在は山形市内の重要文化財である宝積院の「十一面観音」を研究しています。
重要文化財の歴代のデータを読んだり、古文書を分析したり「いつ」「なぜ作られたのか」を調査しています。
重要文化財の中には、赤外線を当てると文字が浮かび上がったり、内部に手紙があったりします。この過去からのメッセージを見つけ、答えを見つける感覚は病みつきになりますね (笑)
研究の目標を教えてください
当面の目標は研究者として認められることです。私は美術史学会に入っているのですが、まだまだ下っ端です。しかし、成果を出し、修士過程を修了すれば学会で発表できるチャンスを得ることができます。
最終的には「東北の仏像の価値を正しく伝える」ことを目標にしています。私の専門分野は京都や奈良を中心に研究をおこなっていますね。しかし、東北にも研究対象は星の数ほどあり、いまだ手つかずです。
その価値を発見し、正しく評価されるような研究をしていきたいと思います。
後輩へメッセージをお願いします!

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