【学生インタビュー53】東北芸術工科大学 総合美術コース 4年 米澤みちる

2015.11.16

”気になるあの人は何をしているんだろう?”

学生インタビュー53人目は、東北芸術工科大学 美術科 総合美術コース4年の 米澤みちる さんです。

総合美術という、既成概念に捉われないアートを学ぶ米澤さんに聞いていきたいと思います。

自己紹介

東北芸術工科大学 美術科 総合美術コース4年の米澤みちるです。趣味は編み物麻雀。編み物は暇つぶしと物を大切にしたいという想いからはじめ、麻雀はボケ防止に良いと知って、虜になってしまいました。

総合美術コースとは、どんな学科ですか?

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既成概念やジャンルに捉われないで芸術を学ぶ学科です。また、制作するだけでなくワークショップなどを通して芸術と社会のあり方についても考え、学ぶこともできます。

なので、アトリエには平面作品立体作品、あるいは映像音楽作品などの制作、ワークショップの準備などをする人がいます。展示会では、同じ場所に多種多様な作品が並ぶのが特徴です。

総合美術コースに入って、実際に学んだことは何ですか?

考えることの大切さでしょうか。入学前は特に考えることもしない高校生で、なんとなく総合美術コースに来てしまいました。1年生のときは課題もろくにせず授業も居眠りばかりです。

そんな考えることを知らない私を、思考する人にしたのは紛れもなく総合美術コースでしょう。

聞いた話の中に「無知の知」というものがあります。哲学者ソクラテスの思想で、簡単に言えば「自分が知らないこと(無知であること)を知っている」というものです。

そして自分の無知を知って、友人と本気で話して悩むわけです。既成概念とは、労働とは、生きるとは、幸せとは何か、平和とは、芸術とは何か・・・

思考することは非常に大変なことでありますが、人間として生きるためには必要なものですね。悩むことが必要なんです。悩まない人間は、味のないたくあんのようになってしまうという話を聞いたことがありますが、本当にそうだと思っています。

米澤さんにとって芸術とは何ですか?

芸術は無駄であるということです。無駄であるがゆえに純粋に自己と向き合えるという良さがあります。

しかし「効率的に生活するのに芸術は無駄」と言われればそうかもしれません。芸術は生きていくことを効率よくしようとしたら、米にも野菜にもならないし、暮らしを整えるわけでもないからです。

だからよく、こう言われるのです。「芸術をやって何のためになるのか?」

それでも、芸術が存続するからにはそれ以上の価値があるということになります。それらを自ら掴みとらなければ、そのうち効率主義の心に打ち破られ芸術する心を失ってしまう気がします。

私の制作は、目に見えて、食にもならなければ、暮らしにもつながらない。そんな中、自己と向き合うのです。自分がいかに我慢強くないか、できるだけ楽をしたいと思っているか、なんと流されやすく、弱いか。良心的でないか。評価されようとしているか。お金に替えたがっているか。

自己を知る、という目に見えぬ本質の対価がそこに存在するのだと思います。

特に自分の純粋な気持ちを大切にするからこそ、見えてくることは多いと思います。だからこそ、芸術は権力にも経済力にも左右されてはいけないですね。

大学生活で力を入れていることは何でしたか?

一人になろうとしないことです。

それは、ホームレス支援のボランティア活動で学んだことです。そのボランティア活動では、炊き出しや夜の見廻り、どのように自立していくのかなどの学習会をおこないました。

このボランティア活動を通して、一人について考えました。一人でいると、好きな時間に起きたり、食べたい物が食べられる。他者になにか言われる心配もない。

それは他者に制限されず、自由なことに思えますが、実は自分のこうしたいという思いからは解放されない、不自由さも同時に持ち合わせていると感じました。

ホームレスから自立施設に入居している人の中には、よく人のために働く人もいます。それは、人にどう思われたいというものではなくて、心から人のためにと喜んでしています。今まで出来なかったから、嬉しいんだと言うのです。

まだ私は、気がゆるむと一人になろうとしてしまいます。一人でいても平気な世の中なので流されてしまうんです。

だからこそ、一人の時間を大切にするならば、人といる時間も同じように大切にしなければ、そう思うようになりました。

卒業後の進路ついて教えてください

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卒業後は長野県にある「共働学舎」で自給自足の生活をします。共働学舎は、様々な個性を持った人たちが、協力し合って生きていく場所です。

自給自足は一人ではできず、人と共にないと生活が成り立ちません。生きるために人と繋がり、常に人と共にある暮らしをするのです。

今の自分の生活と全く逆ですよね。故意に人といる時間をつくらければならなかった生活が一変、一人でいる時間を故意につくらなければならない。

きっとそこでの生活は信頼、犠牲、友情や愛という言葉がよく似合うでしょう。それは頭で考えるよりも前に身体が理解するように、もっと自然な形で存在するのだと思います。

将来は何をしたいですか?

まだ具体的ではありませんが、困っている人、悩んでいる人のために生きたいと思っています。

最後に一言お願いします

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「お鍋食べて、冬を乗りきろう!」

ライター:まっちんぐゆーいち

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